経理業務を効率化するには
帳票の電子化から始めると良い理由

経理業務の効率化を効果的に進めるには、「帳票の電子化」がキーポイントとなります。なぜ、帳票の電子化からはじめると経理業務の効率化が効果的に進められるのか、その理由を詳しくご紹介しましょう。

経理業務効率化の理想的な進め方とは何か?
AIやRPAといったITツールで自動化できればよいが...

経理業務は様々な業務があります。たとえば、「仕訳や売掛金・買掛金管理、経費精算」のような通常業務、「棚卸、仕掛管理、残高確認、減価償却」といった決算業務、「各種意思決定に役立てるための分析(収益性、安定性、効率性、成長性)業務などです。このため、どの業務から効率化するか?を考えると何からやれば最も効果的なのかがわからなくなります。

そこで、理想的な進め方を考えてみましょう。

まず、経理業務の究極の効率化は、RPAやAIといったITツールを活用し、業務をどんどん自動化していくことです。(下図のように、一般社団法人JUAS企業IT動向調査2019企業において最も重視すべきテクノロジーとしてAI、RPAが重要度高)

<企業において最も重視すべきテクノロジー(1~3位の合計)>
重視すべきビッグデータ等は昨年度と同じ傾向で「AI」「RPA」「IoT」「パブリッククラウド(IaaS,PaaS)」「ビッグデータ」。RPAは昨年度6位から2位に躍進

【出典】
一般社団法人 日本情報システムユーザー協会 2019年4月26日 公表、第25回 企業IT動向調査2019(18年度調査) ~データで探るユーザー企業のIT動向~『企業において最も重視すべきテクノロジー(1~3位の合計)』

経理業務の自動化率を少しでも高めることができれば、ミスもなくなり、人手不足の時代でも経理業務を完璧に遂行することができます。しかし、RPAやAIといったツールは導入障壁が高く、簡単に導入することはできません。導入後も運用管理のためのエンジニアを確保しなければなりません。

そのため、やはり最初はAIやRPAといったツールに頼らず、ほかの方法で経理業務を効率化し、効率化によって発生した「時間とお金」を使って、少しずつAIやRPA導入を進めるのが理想的です。つまり、何らかの方法で、経理業務を効率化し、浮いたお金と時間を使って、AIやRPAの導入を検討するというわけです。

経理業務効率化の理想論を実現するための具体策とは?

では、どうすれば、何らかの方法で、経理業務を効率化できるでしょうか?経理業務にはたくさんの業務がありますが、これらの業務に概ね共通するキーワードがあります。それが、「帳票」です。
そして、この帳票をできる限り「電子化」することができれば、紙で管理していた時と比べ、 様々なコストを削減し、生産性も大幅に向上できます。その理由は簡単で、紙の帳票よりも 電子化された帳票の方が下記のような理由でコスト削減・生産性向上が実現するからです。

(1)紙だと帳票を探す時間がかかるが電子化してあれば検索ですぐに見つかる
(2)紙だと帳票を取引先などに送付する時、FAXや郵送のコスト・時間がかかるが、電子化されていればメールなどですぐに送付できる

これら2つの理由は、下記の調査結果でも証明されています。

だからこそ、帳票の電子化を行うことで、ある程度経理業務が効率化し、時間とお金を生み出すことができるのです。そして生み出された時間とお金を使って、AIやRPAの導入を進めるとよいでしょう。加えて、AIやRPAを導入するには、将来的には必ず帳票は電子化しないと導入できません。なぜならAIやRPAはITツールで、電子データを扱うからです。そういった意味でも、いつかは帳票の電子化を行う必要があるので、今のうちに早い段階で進めておくと効率的・戦略的なのです。

約66%の企業が既に電子帳票システムを使っており、その満足度調査では約半数の回答が「大変満足」「おおむね満足」と回答。「少し不満」「多いに不満」は合わせて約20%未満
【出典】
TechTargetジャパン 2011年12月22日 公表
電子帳票システムに関する読者調査リポート
『電子帳票システムの満足度』

どの帳票から電子化すべきか?

帳票といってもたくさんありますが、どの帳票から電子化するべきでしょうか?冒頭で説明したように、「時間とお金」を生み出す帳票から始めるとよいです。そして、その「時間とお金」を生み出す帳票こそが、請求書や支払通知書です。なぜなら、経理業務に関する経費のなかで請求業務の印刷・郵送代が最も大きく、電子化しやすいからです。

とくに取引先様に郵送している請求書が多い場合は非常に大きな効果が出ます。通常複数人で2~3営業日かけているような請求書の発送業務の4工程(帳票作成・印刷・封入封緘・郵便局出し)が請求書の電子化で大きく削減できるからです。請求書の電子化は、請求データから自動的に帳票を作成すればすぐに完了します。帳票のレイアウトやデザインも紙と同じにしておけば問題ありません。印刷・封入封緘・郵送はそもそも必要ないので、すべてカットできます。この他にも、請求書の電子化は様々なコスト削減・時間削減を実現します。その詳細は、「請求書などの帳票を電子化して経理業務が効率化できる5つの理由」をご確認ください。

だからこそ、請求書や支払通知書の電子化がもっとも効率化の効果が大きいと言えるのです。御社では、毎月何通の請求書や支払通知書などを印刷・発送していますか?多ければ多いほど、大きな時間とコストの要因になっているでしょう。

帳票を受取る側は電子化をどう感じているか?

一方、帳票を受取る側は電子化をどう感じているでしょうか?下記の調査は「請求書を受取る側の調査結果」ですが、紙から電子化することにメリットを感じている企業が多いことがわかります。紙で受取るよりも、電子化された状態で受取ることができれば、受取ったあと、紙から電子化する手間も必要なくなります。
つまり、請求書の電子化は、受取る側にもメリットがあり、まさにWin-Winの関係で効果を発揮できるということです。

経理業務効率化は帳票(特に請求書など)の電子化から始めよう

以上の内容をまとめます。

(1)経理業務の効率化の究極はITによる自動化率を高めていくこと
(2)AIやRPAを経理部門でも導入し活用するのが効果的
(3)しかしいきなり導入するのは困難。予算や導入のための準備の時間も作れない
(4)そこでまずは何らかの経理業務を効率化してお金と時間を生み出し、そのお金と時間を使うのが効率的
(5)何から始めるのか?というと、経理業務の共通ワードである帳票の電子化
(6)帳票を電子化すれば紙の帳票に比べてコスト削減・時間削減が実現する。しかもAIやRPAを使うとなるといつかは帳票を電子化しないといけない
(7)帳票の電子化といってもどの帳票から始めるべきか?その答えは請求書や支払通知書
(8)なぜなら郵送・印刷・封入封緘が不要で一気に大きな時間とコストを削減できるから

だからこそ、まずは帳票の電子化、特に請求書や支払い通知書などの電子化から始めると効果的です。
御社の帳票の電子化率はどのくらいですか?電子化がどんどん進めば進むほど、御社はお金と時間を生み出すことができるのです。生み出されたお金と時間は、AIやRPAに活用していただいてもよいですし、ほかのことにつかっていただいてもよいでしょう。