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2018年06月29日 請求書の電子化の遅れは日本の労働生産性の低さの象徴

先進国のなかで日本の労働生産性はとても低くなっています。その原因の一つは企業間のやり取りの標準化が進まず、非効率な対応を強いられているからです。請求書をいまだに紙に印刷し、郵送しているということがその象徴とも言ってもよいでしょう。

日本の労働生産性向上を低下させている原因

公益財団法人日本生産性本部では、毎年「労働生産性の国際比較」を発表しています。この最新のデータでは、日本の労働生産性はOECD加盟35か国中20位、G7の中では最下位という順位です。1970年からこの調査データがありますが、日本の労働生産性の国別順位は19位から21位の間で上下しています。
製造業だけでみると2000年までは1位でしたが、その後順位を下げ2015年では14位です。(5年ごとの調査)
つまり、日本の労働生産性は先進国の中では低く、製造業以外ではさらに低いということなのです。
労働生産性が低くなっている原因はさまざまなことがあげられますが、大きな原因の一つとして日本では「業務の標準化」が欧米と比較して遅れていることがあげられます。
ここでいう「標準」とはJISやISOなどの企業活動のための統一したルールや基準のことです。標準化されていると企業間のやり取りがそのルールや基準に基づいて行うことになるので企業間での依頼、確認、調整が最小限となり効率的に業務が遂行できるようになります。さらに、統一したルールや基準に基づく企業間のやり取りは、システム化、電子化が推進しやすくなるので、生産性向上に大きく寄与することになるのです。

請求書が紙であることがその象徴

日本の標準化が遅れているのには、日本人の「遠慮深さ」という気質がベースにあるように思います。企業間でのやり取りにおいて、「こうやった方が効率的」「こうやったらシステム化・電子化が進む」ということは分かっていても、相手企業に対して「変更してもらいたい」という積極的に依頼をする企業は少ない状況です。相手企業が顧客の場合はなおさら遠慮をしてしまう傾向が強くなります。請求業務の場合、請求先はまさしく顧客であるため依頼、調整をすることに躊躇するわけです。
ところが、「請求」という企業間のやり取りは、「金額」と「請求内容」が分かれば十分なので、非常に標準化がしやすい業務です。また、どの企業でも請求は必ず発生し、がつ業務量が大きいので、いまだに請求書を紙に印刷をし、封筒に詰め、郵送しているというのは、日本の標準化が遅れているという象徴的な業務と言えるでしょう。

請求書の電子化をどのように実現させるのか

企業間のやり取りには、部品などのモノのやり取りと情報のやり取りがあります。高度成長時にはモノづくりが中心でしたので、部品・製品仕様の標準化を大企業が主体で進めてきました。近年はコンピュータの普及により情報伝達上の標準化が重要になっておいます。そして情報伝達上の標準化は、大手IT関連サービス業が主体的に標準化を進めています。
さて請求書の電子化を実現させることは技術的に難しいものではありません。先に解説したとおり、顧客への遠慮と請求書の電子化を依頼する相手数が多いということということで躊躇する要因になっています。
この課題を解消する最もよい方法は、請求書の電子化のための顧客への依頼・調整をIT関連サービス業にアウトソーシングするということです。これによって相手企業への気遣いをせず、無理なく電子化が進むわけです。

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